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本当に塗り替えは必要?住宅に塗装は必要なのか?

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本当に塗り替えは必要?住宅に塗装は必要なのか?


悪徳リフォームが大きな話題になっていた頃、TVでも特集があり、とある建築士が「住まいの塗り替えなんて必要ない。家は屋根や壁の裏側には防水紙が張られているから必要ない」このようなそれっぽく聞こえるコメントをしていました。
木造住宅の法定耐用年数は22年(1998年の改正前24年)=寿命の様に捉えられている方も多くおられますが、実際には22年を超えても快適に暮らせている住まいは多くあります。
使い捨て、建て替えを前提にした考え方であれば、ノンメンテもひとつの選択肢だとも思いますが、特に近年は建物の性能が上がってきていることもあり、お手入れ次第で住宅の寿命はさらに延ばすことができます。
補足ですが、塗り替えは防水性能を維持するだけにしているのではありません。

では本当に「防水紙が張られているから必要ない」のかを屋根を参考に『木造住宅の長期使用に向けた屋根、外壁、床下のメンテナンスガイドライン(出典先:国土交通省国土技術政策総合研究所)』の資料を抜粋して、ご紹介いたします。


防水紙の役割(屋根)



防水紙(下葺き材)とは
屋根に降る雨の大半は屋根材の表面を流下します。そのことで建物に水が浸入することを防いでいます(一次防水といいます)。ただし、瓦など屋根材は連続した膜を形成しているわけではないので、一定以上の風雨により隙間から水が浸入してしまいます。


その浸入した水を建物に浸入させないためには、防水紙が必要です(二次防水といいます)。防水紙はシート状の材料で、一般的には下葺き材と呼ばれています。


経年した下葺き材について



下葺き材は屋根材に覆われているので、建設時や改修時以外目にすることはありません。そのため、下葺き材の劣化状況は、屋根材を取り除かなければ確認できません。
下葺き材の主な劣化因子としては、や、屋根材の間隙から浸入する雨水があります。熱は、図のように屋根材を通して輻射熱が到達することが考えられます。下葺き材が長期間高温に晒されると、徐々に固くもろくなり、防水性能を維持することが難しくなります。また、変形を伴う現象もあります。変形が大きいと下葺き材(防水紙)どうしの重ね幅が不足したり、くぎなどの貫通部分が広がるなど下地が露出してしまうものもあります。変形は熱の他、水分が原因の場合もあります。

【雨水の浸入】

【ルーフィングの縮み】

以上の見解からも防水紙のみで雨水の浸入を防いでいるのではなく、防水紙はあくまで安全装置のような役割りであって、基本は“一次防水と二次防水のセットで雨水の侵入を防ぐもの”だとご理解頂けると思います。


住宅屋根用化粧スレート葺の主な構造


ここからは、戸建住宅で屋根の化粧材として採用されることが多い「住宅屋根用化粧スレート」について、少し掘り下げたいと思いますので、ご興味のある方はご参考までに一読ください。
[住宅屋根用化粧スレート葺の主な構造]
1)住宅屋根用化粧スレートとは
スレートの意味は、粘板岩でできた屋根用の薄い板(天然スレート)です。ここで示す化粧スレートはセメントや有機繊維(石綿、ビニロンなど)を主原料とし、板状に成形、乾燥した後、化粧加工した平形、波形の屋根材です。現在は無石綿化されており、塗装膜を高耐候とした製品もあります。
2)住宅屋根用化粧スレートの層構成
住宅屋根用化粧スレートの層構成は、図及び一般社団法人 日本建築学会 建築工事標準仕様書 JASS 12 屋根工事が参考となります。野地の上にアスファルトルーフィング 940 同等品以上の下葺材を使用することが規定されています。
一般的に、厚さ 12mm 以上の構造用合板の上にアスファルトルーフィング 940 と同等以上の下葺材を敷いた後、メーカー指定の専用釘で化粧スレートを留め付けます。


3)アスファルトルーフィング 940とは
新築住宅を供給する事業者には、住宅のお引き渡しから10年間の瑕疵保証責任が義務付けられ、責任履行のために、「保険」もしくは「供託」のいずれかの措置をとることが、義務化されています。
その住宅瑕疵担保責任保険の技術基準となる設計施工基準には、下葺き材として、アスファルトルーフィング940又は同等以上の防水性能を有するものを使用することが規定されています。アスファルトルーフィング940を規定するJIS A 6005アスファルトルーフィングフェルトでは、「引張強さ」、「耐折り曲げ性」、「耐熱性」等の性能が規定されています。
4)住宅屋根用化粧スレートのメンテナンスまとめ
スレートのメンテナンス方法には様々あり性能の復元のみを考えるのであれば、ベストな選択は葺き替えであることは誰にでも分かります。
しかし、大きな支出を伴うことから、一般的に性能の許容限界を迎えていない場合は、コストパフォーマンスに優れた塗り替え(塗装)を検討される事が多いと思われます。


塗り替え(塗装)は必要か?まとめ


前述してきた事から、一次防水の性能や美観の維持を低コストで実施することを望まれる方には、塗り替え(塗装)は有効な手立てであり、必要なお手入れ方法であると言えます。
補足ですが、塗り替え(塗装)を検討する際におさえておきたいポイントは、二次防水となる下葺材(防水紙)の劣化要因である熱と雨水を考慮し、なるべく遮熱・断熱性能が高いもので熱を遮断し、できる限り高耐久のもので一次防水となる住宅屋根用化粧スレートの性能を高め雨水の浸入を防ぐ事などを踏まえて検討することで、より納得のできる塗装を実現することができると思います。


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