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屋根雨漏り(瓦屋根葺き直し)神奈川県相模原市 I様邸の実例でご紹介

和瓦の屋根の構造は表面の瓦だけで雨水の浸入を防いでいる分けではありません。ザクっとお話しすると2段階の防水構造となっており、1番上に瓦、その下に防水紙(ルーフィング)があり、この2段階の構造で雨水の浸入を防いでいます。

しかし、経年の劣化に伴いシックが崩れ、瓦が当初の位置からずれたり、防水紙の伸縮性能が低下し破断して雨漏りを起こす場合があります。
今回は2021年11月12日より11月26日にかけて、相模原市I様邸であった雨漏りの相談から、瓦屋根の葺き直しを例に、ご連絡を頂いた内容から、調査や工事までをご紹介させて頂きますので、瓦屋根にお住まいの方はメンテナンスの選択肢の1つとして、ご参考にしてください。

 


▲屋根裏から撮影

 


お問合せ


2014年の塗装工事のご依頼から度々泉建装をご利用くださっているOB顧客様より、雨漏り発生のお電話を頂き、「一度見にきてもらえないか」とのご相談がありました。

症状は、2階の天井に何ヵ所も雨シミが見られるそうで、床のカーペットまで濡れてしまう程とのお話。数日前の台風時から顕著になっているご様子でした。

 


現地調査


屋根を専門としている職人も同行し、現状の調査にお伺い。
2階の天袋から屋根裏に入らせて頂き、屋根裏と瓦屋根の両面から不具合箇所を確認していきます。

 


▲2階天井の雨シミ


▲2階天袋
漏水跡のあるコチラの天袋から中に入り屋根裏を確認


▲屋根裏から見た屋根野地
外からの光が差し込む箇所があるのが確認できます。(不具合箇所)


▲屋根瓦
屋根を確認した際には、瓦がズレている箇所もありました。

 


漏水原因


【下葺き材『ハイトントン』】

「ハイトントン」‥‥?

聞きなれないこの可愛らしいネーミングは、当時ナショナルの商材であったビニール系下葺き材の名称で、普及品の「防水紙(ルーフィング)」の役割となる下地材にあたるものです。

2005年までの製造商材でしたが、軽くてラップの様にピタッと貼れる施工性の高さが人気の下地材だったそうです。(屋根職人/談)

コチラが「ハイトントン」。今回のI様邸の屋根下葺き材です。


▲下葺き材の亀裂
「ハイトントン」はビニール系の下地の為、アスファルト系のルーフィングと比較すると、伸縮性能が早い時期に低下してしまう様で、更により固く縮む性質があり、気温の変化や経年による縮みから裂け、不良箇所から雨漏りを発生してしまいます。現在も類似するケースは多いです。
瓦の設置状況が良好だった場合、ただ上から降る通常の雨位であれば瓦で防げるのですが、台風など暴風を伴う降雨の場合は瓦と瓦の隙間から雨水が挿し込んでしまい、雨漏りとなってしまいます。

 


▲屋根裏からの確認
光が差し込んでいるのが不良箇所となりますが、野地板の腐食や傷みはないようでした。

 


ご提案


施主様へ原因と現状をご説明。屋根の修繕方法として、下記の3パターンでご提案、ご説明をさせて頂きました。
①「葺き替え」‥‥下地の補修後に新しい屋根材に。今回はコロニアル屋根でのご提案となりました。
②「葺き直し」‥‥下地の補修後に既存の屋根瓦を敷き直し
③「部分補修」‥‥不具合部のみ補修
③の部分補修に関しては、補修後も他の部分で同じ症状が出る可能性が高いためその旨をお伝えさせて頂きました。
修繕方法として「コロニアル屋根への葺き替え」と「葺き直し」で悩まれていらっしゃいましたが、将来のメンテナンスプランと併せてご夫婦でご思案された結果、②の葺き直し施工をご採用いただきました。

主な施工方法

【葺き直し】

▲既存の瓦を解体・撤去・清掃中
瓦の下には雨水の流れをせき止めてしまう埃や木くずなどの堆積物が溜まっています。
既存の瓦は破損しているものを除き、敷き直しに再利用使用します。
▲既存の瓦を解体・撤去後
表面をキレイに清掃をし、野地板の状態を確認します。
今回は野地板の腐食等はなかったので上にルーフィングを張っていきますが、野地板の腐食の状況によっては、野地板の交換をする場合もあります。
▲新たな下葺き材ルーフィング施工後
防水シートは瓦との隙間などから侵入してきた雨水を、更に内部(屋内)への侵入を防ぐ為の需要な下地材になります。
ルーフィングの上には瓦を掛ける(設置)為の桟木を設けますが、そのまま桟木をルーフィングの上に設置してしまうと、瓦の隙間から侵入した雨水の排水を妨げてしまうので、設置の前に「流し桟」や「きずり」を設けるのが一般的です。今回はきずりテープを使用し、ルーフィングと桟木の間に空間を設け、瓦の隙間から侵入した雨水を上手に外部へ排出する作りとしました。
雨水の排水だけでなく、通気や換気能力も上がるので、桟木などを良好な状態を保つことができ、腐朽を防ぐことに繋がります。
ルーフィングの張り方向と直角に張られているのがきずりとなります。
▲ルーフィング接写
漏水対策への工夫として、ルーフィングの重ね幅を多く設けました。
▲瓦桟設置
瓦を引っ掛けるための細長い木材(桟木(さんぎ))を設置。
桟木に対して直角に張ってあるのが「きずりテープ」です。
▲葺き直し中
撤去した瓦を再利用し、一枚づつビス止めしていきます。
▲雪止め設置中

▲大棟積み直し施工中①
漆喰の状況。南蛮漆喰と呼ばれる「シルガード」の黒を採用しています。
なんとも分かりやすいネーミングですね。
▲大棟積み直し施工中②
大棟は1枚の瓦を2つに割ったのし瓦を、芯材を漆喰で挟み左右と上に重ねて積んでいきます。
▲施工後①
棟瓦を緊結線(銅線)で留めて施工終了です。
▲施工後②
今回、下葺き材のメンテナンスをし、棟瓦も漆喰と銅線で留め直して瓦を積み直したことから、漏水も食い止められる強い屋根へと戻りました。

お客様の声

『お客様の声』アンケートにもご協力いただきました。
ありがとうございました。


 

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